沖縄には戦後日本が抱える多くの問題が詰まっている。国と地方、大和と琉球、戦勝国アメリカと敗戦国日本……。とりわけ沖縄の基地問題について多くの人が考えることは、日本の民主主義の成熟につながるのではないだろうか。 今年は、非常に多くの著名人が亡くなったように感じる。亡くなった順に、私の知る範囲で挙げると、西部邁、大杉漣、スティーヴン・ホーキング、高畑勲、西城秀樹、樹木希林、小田裕一郎等々。その中の一人に前沖縄県知事の翁長雄志がいる。 私が彼の本と出会ったのは少し不思議だ。今年も8月に入り、日曜日になんとなくブックオフに入って、翁長雄志の『戦う民意』を見つけた。私は沖縄の問題を知らなければならないと思いつつ、今まで遠ざけて来たように感じ、なぜか急に向き合わなければならないという責任感に苛まれ、そのままレジに向かったのだ。そして帰宅後すぐに読み始め、ちびちびと毎日読んでいた3日目の夕方、著者の訃報を聞いたのだ。何かこれは深い因縁のようなものを感じてしまう。 それはさておき、『戦う民意』について。 この本は、他の政治家の本と同じく、翁長前知事自らの考えや出自について記されている。 沖縄の保守派の政治家の家庭に育ち、自らも保守系議員として那覇市議会議員から政治の道を歩み始めた。そして2014年に沖縄県知事に選出された。 このとき、翁長雄志は分断した沖縄を辺野古新基地建設阻止によって一つにしたいと考え、「オール沖縄」をスローガンに掲げて選挙戦に挑み、知事選挙を圧勝した。 その後は官邸へ辺野古反対の要望をしに行ったり、4度の訪米で米国政府に直接辺野古新基地建設を止めるよう訴えたりした。 さて、ここで沖縄の基地問題の歴史を振り返ってみたい。
霊能者たちの言うスピリチュアリズムには問題がある。その考え方を突き詰めれば、オウム真理教の「ポア」の思想につながってしまうのだ。では正しい教えとは何なのだろうか。 今年に入り、1995年に始まったオウム事件の裁判が全て終結した。テレビや雑誌ではオウム事件関連の話題が何度か取り上げられていた。オウム事件を追い続けているジャーナリストの江川紹子は、2018年3月26日号の『AERA』に寄せた記事おいて、事件が起きた当時の状況を次のように振り返っている。 〈凶悪事件に関わった者たちも、入信前は、ごく普通の若者だった。むしろまじめに生き方を考える青年たちで、大人たちから見ると「いい子」が多い。 彼らがオウムに入ったのは、バブル景気のまっただ中。札束が飛び交う金満社会の片隅で、本当の豊かさとは何かを考えたり、精神世界に真の幸せを求めたりする人たちもいた。また、『ノストラダムスの大予言』は売れ続け、テレビで霊能者ブームが起きた。〉(『AERA』2018年3月26日号、32頁) そして江川は、警察による捜査には問題があったと指摘し、後世への教育の必要性を訴える。 〈早い時期に捜査が尽くされ、犯人が突き止められていれば、教団はそれ以上暴走するまでもなく、解散となっただろう。松本サリンや地下鉄サリンなどの事件は起こりようがなかった。それなのに、警察の捜査の問題が究明されずに終わったのは、納得しがたい。〉(『AERA』2018年3月26日号、34頁) 〈悲劇を繰り返さず、虚偽情報の拡散を防ぐためにも、オウム事件を通してカルトの怖さや手法を若者たちに伝え、身を守る知恵を得られるようにしてほしい。なぜ教育の場で、そうした情報を提供するようにしないのだろうか。〉(『AERA』2018年3月26日号、34頁) 地下鉄サリン事件が起き、オウム真理教の幹部らが逮捕・指名手配され、時は21世紀になると、テレビをつければ江原啓之や細木数子といった人たちが頻繁に出てきた。彼らは、視聴者の涙を誘うような話をするが、その世界観はオウム真理教のそれと通じるところがある。 彼らの言うスピリチュアルとは何であるか。江原啓之は「スピリチュアルな八つの法則」として、次のように示している。 一 スピリットの法則 二 ステージの法則 三 波長の法則 四 ガーディアン