スキップしてメイン コンテンツに移動

このブログについて

こんにちは。ぼくはしょーちゃんといいます。
このブログは主に、ぼくが読んだ本についてあれこれ書くブログです。
これからどんな本を読むか決める際に、あるいは読み終わった本が他人にはどう受け止められているのかを知る際などに、参考になれれば幸いです。
よろしくお願いします。

平成29年5月5日
しょーちゃん

コメント

このブログの人気の投稿

11. 佐藤優『3.11 クライシス!』

2011年3月11日、戦後日本は危機に陥った。原発事故は作業員たちに対し、敗戦より続いてきた生命至上主義という思想を超えるよう要求した。あの3・11によって、日本の社会と国家は変わるのか。どのように変えるべきか。  2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とする日本観測史上最大規模の地震が起き、発生した巨大津波が東日本の太平洋岸を襲った。死者・行方不明者は1万8千人余り。福島の原子力発電所では歴史的な重大事故も起き、いまなお事故状況の調査や損害賠償が続けられている。  最近、東日本大震災や原発事故関連の書籍を読み漁っている。各新聞社が当時こぞって出した写真集を眺めたり、小出裕章の『原発のウソ』や広瀬隆の『福島原発メルトダウン』といった一般向けの原発関連本、それから当時政府にいた菅直人や細野豪志の著書などを読んだ。今回はその中でも、佐藤優の『3.11 クライシス!』を取り上げる。  まず佐藤優という著者について、私は数年前に書店の店頭でその名と顔を知った。ギョロッとした目をしているその顔は、すごく印象に残ったことを憶えている。ただそれからというもの、私は彼の著書をあまり読んでいない。読了したものを挙げると、池上彰との対談本『新・戦争論』と『僕らが毎日やっている最強の読み方』、マルクスの『資本論』の講義録である『いま生きる「資本論」』くらいである。ところが私は、彼の見解や意見を頻繁に見聞している。雑誌とラジオという媒体によってである。  彼の仕事量は凄まじい。私の知る限り、ラジオは文化放送の「くにまるジャパン」やニッポン放送の「高嶋ひでたけのあさラジ!」、雑誌は『週刊東洋経済』や『週刊文春』をはじめとして、手に取った雑誌のどこかには佐藤優のページがあるというくらいの人気ぶりである。その内容は、政治や外交についての時評や本の紹介が多い。外交官だったという経験を活かしたその見識は、外交や安全保障の分野のエキスパートとして現在では宮家邦彦と並んでメディアでは重宝されている。  そんな彼があの東日本大震災を受けて何を考えたのか、その記録が『3.11 クライシス!』である。本書は、3・11直後の3週間に各種メディアで公表された佐藤優の論考集となっている。2章立ての構成になっていて、Ⅰ章はライブドアニュース、つまりインターネットで公開されたもの、Ⅱ章は新聞や雑...

8. 柳沼重剛『ギリシア・ローマ名言集』

教養がある人とはどのような人か、という問いには様々な答えがある。ある者は古典文学や芸術、歴史について博識であることだと言う。またある者は品位や人格が優れていることだと言う。いずれにせよ教養人と見られるために多く用いられるのが、昔の作家や政治家や思想家といった有名人たちのことばである。そしてとりわけ欧米人にとっては、古代ギリシア・ローマの名言が重要であり続けた。  本書では、ギリシアとローマの337の名句について、出典や解説を付して紹介されている。前半をギリシアの部、後半をローマの部として、それぞれの名言に見出しをつけて五十音順に並べてある。ぜひ通読することをおすすめしたい。  私の気に入った格言を5つだけ書き留めておこう。 〈〖うまれないこと〗 4 人間にとっては、生まれぬこと、太陽の光を見ぬこそよけれ。 バッキュリデス『祝勝歌』第五番160〉(12-13頁)  少し病んでいるかもしれないが、感受性豊かな人は共感できる名言だと思う。齢を重ねていくと生をより肯定していき、生の終わりが近くなると逆に死を肯定するというのが、一般的な人間の死生観の変遷だと思う。しかしこれとは別に、「生まれぬこと」は幸福でありよきことであるという考えも、洋の東西を問わず存在し続けて来た。ただバッキュリデスの時代以降、ギリシアやローマ、ヨーロッパ諸国、アメリカでは、生死の議論は退いて、知の主軸はもっぱら死後の救いの話や現世でのあり方、物理世界の解明などの方向へ移っていったが、インドでは生死や苦の感覚を基に、仏教理論を発展させ、改変されながらも中国、朝鮮を経て日本へと渡来した。ところが欧米と同じく現在の東アジアでも、生死についての話題は主流ではない。 〈〖たえる〗 68 現在の難儀もいつの日かよい思い出になるであろう。 ホメロス『オデュッセイア』第十二歌212(松平千秋訳)  海上を放浪するオデュッセウスの一行が、一難去ってまた一難とつづくので、兵士たちが心身ともに疲れ果てて、絶望状態に陥ってしまったとき、オデュッセウスがこう言って彼らを励ます。〉(46頁)  いつか言ってみたいセリフだ。 〈〖きょう〗 49 (今日という)日を摘み取れ。 carpe diem. ホラティウス『詩集』第一巻11.8〉(105頁)  ロビン・ウィリアムズが...